英語の歴史&他言語との共通点【ちょっと視点を変えた英語学習】
- Ayaka
- 2020年3月8日
- 読了時間: 4分

日本人は英語を話せない、習得までに時間がかかるとよく言われますが、これって仕方なくないですか?文字はもちろん、単語も文法もまったく違う英語を使いこなせるようになるのは、至難の業です。
一方でアルファベット圏の人は英語を学びやすいと言われています。それもそのはず。英語とその他アルファベットの言語には、似ている単語が非常に多くあります。単語の意味を何となく推測できるというのは非常に大きなアドバンテージでしょう。
ところで英語ってどのようにできたのでしょうか?世界の英語人口の多さや、他の言語に似たような単語があることから、多くの人は英語がアルファベット界のボスだと思っています。じつはこれは間違い。英語は日本語のように、他の言語のまねっこをして生まれた、ハイブリッド言語なのです。
日本語と似ている英語の歴史

日本語が中国語の影響を受けていることは、すでにご存じかと思います。特に書き言葉において、日本語は漢字から「ひらがな」や「カタカナ」を生み出しました。
なんと英語にも似たような生い立ちがあります。英語のもととなっているのは、ゲルマン語。こちらはドイツ語のもととなった言語です。驚くことに、昔の英語は現在のドイツ語に似ていたのです。
その後ヴァイキングの侵入により、英語は古期ノルド語の影響を受けます。ノルド語とは、現在のスウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語のもとになった言語です。
さらにさらに、ノルマン征服時はフランス語とラテン語の影響もうけます。このときイギリスの上流階級の人の公用語はフランス語になりました。ところで英語で「牛」というとき、beefとcowの2種類の表現方法がありますよね。これは牛肉を食べるような上流階級の人はフランス語のboefを、庶民はゲルマン語のcowを使っていたために起こってしまった現象です。
このように、英語はゲルマン語、ノルド語、フランス語、ラテン語の影響を受けたミックス言語なのです。英語は語彙の数が世界有数の言語と言われていますが、その理由は複数の言語の影響を受けていることにあります。また発音のルールがあいまいなのも、この影響によるものです。
英語と他の言語で似ている単語

英語と英語のもとになった言語には、同じスペル・発音の単語や、似ている単語が数多くあります。気になって少し調べてみたのですが、出るわ出るわ…。「この単語はこの言葉から来てるのか!」と新しい発見が多々ありました。こちらではその一部を紹介します。
英語とドイツ語
同じ単語
all…英:オール / 独:アル
best…英&独:ベスト
finger…英:フィンガー / 独:フィンガ
似ている単語
glass / glas…英:グラス / 独:グラース
hear / hören…英:ヒアー / 独:ヘーレン
market / markt…英:マーケット / 独:マルクト
英語とスウェーデン語
同じ単語
student…英:スチューデント / 瑞:スチュデント
information…英:インフォメーション / 瑞:インフォマショーン
tiger…英:タイガー / 瑞:ティーゲル
似ている単語
bus / buss…英:バス / 瑞:ブス
apple / äpple…英:アポゥ/ 瑞:エップレ
come / kommer…英:カム / 瑞:コンメル
英語とフランス語
同じ単語
caramel…英:キャラメル / 仏:カラメール
ambulance…英:アンビュランス / 仏:ア(オ)ンビュラーンス
restrant…英:レストラン / 仏:レストロン
似ている単語
telephone / téléphone…英&仏:テレフォン
delicious / délicieux, délicieuse…英:デリシャス / 仏:デリシュー、デリシューズ
normally / normalement…英:ノーマリィ / 仏:ノーメルモン
言葉の歴史や共通点は面白い!

改めてみてみると、英語とアルファベット圏の言語には本当に共通点が多いです。アルファベット圏の人が、日本人ほど英語の習得に時間がかからないのも納得ですね…。
しかし英語と日本語の生い立ちは意外と似ています。どちらも他の言語をまねっこして生まれた言葉であると思うと面白いですし、少し親しみが湧いてくるのではないでしょうか?
言語の勉強の面白さとは、言語そのものを使えるようにるだけではないと思います。今回ご紹介したように、言語の歴史を探ってみたり、言語間の共通点を見つけてみるのも一興です。このような切り口から言語に興味が持てると、言葉の勉強はもっと楽しくなります。
英語と日本語には、まだ他にも共通点があります。興味がある方は、いろいろな視点で2つの言語を比べてみてください。今まで気づかなかった、英語の面白さに気付けるはずです。
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